島に来て手放したスキルとは

島に来て手放したスキルがいくつかあります。

ときおり街に出かけてみて初めてああ、こういうことって島ではないよね、
と気づくことがあります。

そんなお話です。


※顔を上げて前を見たときに、自分以外の人間が見えないことの方が多い、それが島暮らし@佐木島・三原市

人混みをかきわけるスキル

ダントツに低下したスキル、それは人混みの中で上手に歩くことです。
かつて大阪に暮らしていたときは、何百人が同時にすれ違う横断歩道を渡るのに
周りの人の動きを読んで上手に自分の道を見つけて歩いていたのですが、
久々にやってみたらびっくりする位できなくなっていました。

そもそも島で暮らしていて、人混みをかき分けるチャンスなんてほぼありません。
島民と島の小学校の合同運動会のときくらいでしょうか。
それでも、もっともざわつく観客席ですら十分に好きなルートを選んで歩ける程度の場所がありましたから、
当然都会暮らしで最適化されていた能力など、落ちると言うものです

順番待ちのスキル

また順番待ちをすることへの心理的ハードルが上がりました。

我が家のすぐ近くに徒歩1分のところに都内唯一のスーパーがあるのですが(個人商店は除く)
そこで会計待ちの列ができるということがほぼないのです。
自分が好きなタイミングで行ってゆったりと会計ができるのが当たり前です。
残念ながらレジゴーのような仕組みは入ってないのですが、
クレジットカードなどキャッシュレス決済ができて申し分ありません。

ここで自分と店員以外に人がいることがほぼなく
おかげで待つ行為がイレギュラーとなってしまいました。
以前はもっと寛容だったのに、待てなくなっています。
街中だったら人がいて当たり前なんですけどね。

孤軍奮闘スキル

最後に、意外だったのが孤軍奮闘スキルの喪失です。
都会は個人で完結するためのサービスが充実しているからこそ、
なんでも自分で解決しないといけない意識が強かったように感じます。

でも島に来たら剪定ならこの人、スイカを作るなら彼、
釣りならこの人の右に出る人はいない、などなど、
自分のできないことを自分の代わりにやってくれるプロがたくさんいるのです。

ですので、やればできるけど、そんなに得意でない事は
どんどん任せてしまった方がむしろ喜ばれます。
例えば、私は畑のスペースを借りて、少しずつ自分の食べるものを賄う率を上げていこうと奮闘していますが、
実は植え付けから普段の水やりまで全て土地の管理者の方が一手に請け負ってくれています。
やっているのは草抜きのみ。
管理者の方の力仕事はときどき手伝いますが、本当に何もせず収穫できていると言っていい状態です。
何ともありがたいことです。

自分の限られたリソースを瑣末なことにあてなくて済む、
とも言えるかもしれません。
島ののんびりさ加減を噛み締める日々です。

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