24年ぶりに、ふるさと瀬戸内しまなみに暮らし始め、はや3週間が経ちました。
正確には、しまなみ海道から少し外れた三原市の佐木島ですが。
四半世紀のうちに、いつの間にか自分にインストールされてしまった都会の当たり前の数々。
それがここでは当たり前ではないなとしょっちゅう感じます。
旅なりUターンなりで都会からしまなみにやってくる。
そんなときに持っておいたらより楽しめるであろう心構えをお話します。
※静かすぎるくらいの、須ノ上港防波堤からの眺め@三原市・佐木島
公共交通機関はあったらありがたい
1つ目は、公共交通機関はあったらありがたいと思うべし、です。
都市部のように縦横無尽に公共交通網があり、
いつでも好きなときに移動が叶うわけではありません。
1本電車を逃しても次は3分後なんてのは都会の常識。
しまなみ地域では、1時間に1本の電車や船、バスならまだ良い方で、
場所によっては1日に朝と晩の1本ずつなんてこともあります。
こんな状態では予定が組めやしない、と思ってしまうかもしれません。
でも、すこし視点を変えてみてください。
ほとんどお客さんが乗らないにもかかわらず、路線を残してくれているなんてありがたい。
こうも言えるはずです。
たとえ運賃が都会のそれよりも割高だったとしても。
遅れがないのは奇跡
2つ目は公共交通機関に遅れがないのは奇跡、です。
誰もいないバス停で1分待っても2分待ってもバスが来なかったら、どんな気持ちになりますか?
もし都会だったらおそらく不安になったりイライラしてしまうことでしょう。
そもそもバス停の表示で走行位置が逐一表示されていて、
そもそもいつが定刻なのか気にすることもないかもしれませんが。
でもしまなみ地域ではバスの船もよく遅れます。
利用客の多い時期や路線時間帯だとむしろ遅れない方が珍しい位です。
それは支払い方法が現金のみで徴収に時間がかかっていたり。
土地勘のない旅の方に係員が時間を割いて丁寧に対処しているからだったり。
理由は様々です。
さすがにインドの電車までとは言いません。
が、遅れは想定内、とのんびりとスケジュールを組んだほうがストレスなく楽しめます。
ここ佐木島にお嫁に来て40年近くという、大阪出身の方がおっしゃった言葉が印象的でした。
いわく、都会で電車やバスがひっきりなしに来るからこそ、30秒や1分の遅れだって許せない神経質な人間になりがち。
けれど島なら次の船は1時間とか2時間後。
だからこそのんびりと構えられて、精神衛生上良いと。
なるほど、と思いました。
ゆるっと構えるほうが、確かにほっとできますね。
朝はゆったりできる
3つ目は朝はゆったりせよ、です。
都会の朝は実は意外と早いです。
路線によっては、4時台にはもう電車が動き始めます。
遠出するときには家に向かう酔客とともに電車に乗り込むなんてことも多々あるでしょう。
でも、しまなみ地域では様子が違います。
朝イチの船、バスはそんなに早くないのです。
わたしの暮らす佐木島は、どんなに早く出ようとしても、朝の1番早い船は6時5分。
夏であればすっかり明るい時間帯です。
朝早い電車に乗りたい場合は、前日に本州側に渡っておく必要があり多少面倒ではあります。
とはいえ、宵っぱり夜型のかたにはゆったりスタートがもってこいかもしれません。