90代で男性で一人暮らし。
特に誰かに助けてもらうことなく、スーパーに出かけて買い物をし、
自分で料理を日々作っている。
歩くのは早くは無いけど、自分の足でちゃんと歩いている。
そんなのはレアなスーパーおじいちゃんだと思いますか?
実はそんなご老人が近所に大勢いる、そんな佐木島です。
危ないなと言われながらも、彼らは屋根の上に上がって補修をすることもあるそうです。
それは70代がひよっこと言われても仕方ないよなと思うのですが、
都会基準ではびっくりでしかありませんよね。
そういった方を見るにつけ思うのが、島だから元気なのか
元気だから島で暮らせるのかどっちなの?ということです。
女性では元気な方が多いのですが、島の男性は負けじと元気です。
その理由を考えてみました。
※日々是絶景で散歩が可能@佐木島・三原市
ほどよく濃い人間関係がある
1つ目はほどよく濃い人間関係が構築されていることではないかと考えています。
どこどこの誰々さんが今日はいつもの時間に畑に出ていなかった。
大丈夫かしら私見に行ってくるわね。
そんな会話が日常的にあちこちで飛び交います。
おせっかいと言えばそうなのですが、常に誰かが気にかけている。
いつもそばで見守っている家族ほどではないけれども、
ゆるくでも確実に誰かがみてくれている感じです。
人間が弱るきっかけの一つは人との関わりがなくなり、
脳への刺激がなくなってしまうことだと言われていますが、
これだけ濃ゆい関係があれば否応なく人付き合いをすることになります。
それが良いのでしょうね。
不便が工夫のスキルをあげる
2つ目は島が適度に不便なことです。
隣の島にはなぜか24時間営業のスーパーがあったりしますが、
佐木島はというと朝10時半にオープンして、夜は17時にクローズ。
日曜日は空いていない。そんなスーパー(農協)が1つあるのみです。
ですので食事の用意一つとっても自分の生活の中で工夫して時間を使っていかないといけません。
スーパー選び放題。スーパーがないならコンビニ行けばいいわ、と言う都会とは大違いです。
頭を使わないと普段の暮らしもままなりません。
橋で本土とつながっている島と異なり、船で出かける必要があるので、
自分のやりたいことに合わせてスケジュールを組むことが日常的になります。
こういったことが頭を使う良い機会になります。
ゆったりと過ごせる環境
最後に、ゆったりと過ごせる環境があることです。
人間は刺激が多すぎても健康を害するものです。
島には目が疲れてしまうようなデジタル広告もありませんし、
人混みでイライラすることなどまずありません。
船のエンジン音は響きますが、それもずっとではなく
基本は虫の声と鳥の声、草木のそよぐ音、波の音。
そういった自然の豊かな音にあふれています。
夜もしっかり暗くなるので、夜更かしはしにくいです。
島にいるから元気、元気だから島にいる。
どちらもあると感じています。