ふるさと瀬戸内しまなみに、24年ぶりに戻ってきてひと月が経ちました。
慣れぬ仮住まい、本土と違って船のスケジュールに行動が左右されること。
それだけでも十分ですが、何もかもが変わったことはとてつもないストレスのはずです。
ちなみに仮住まいも、ひとのお家の一角をお借りしています。
ですのでやりたい放題、傍若無人に暮らせているわけではありません。
そして最もきつかったのが、住まいにクーラーがないことです。
普段は風が通るのですが、凪の時間はヘロヘロでした。
普通に考えたら体調を崩しそうな環境に思われるかもしれません。
が、むしろ体調が安定し、肌やお腹の具合も都会暮らし時代より段違いに良くなっています。
その理由を考えてみました。
※みかん畑を縫うように走る@尾道市・瀬戸田町
昼夜・季節の区別がしっかりしている
一つ目は、昼夜・季節の区別がしっかりあることです。
朝になったら起きて、日が暮れたら寝る支度にかかる。
暑い時期、時間帯は無理にいろいろやろうとせず、のんびりする。
涼しくなってからゴソゴソと動き出す。
いつでもなんでもあまり変わりなくこなせてしまう街暮らしと異なり、自然と行動にメリハリがつけやすいです。
また、無理もしにくい環境です。
今はやるべき、そうでない、がわかりやすいですので。
日々の景色の変化が感じられる
二つ目は、日々の景色の変化が感じられることです。
わたしは島一周ランニングを朝の日課にしています。
そして、同じコース、同じ時間帯でも、海の色、空の色、風の香りが違うことに驚きました。
海の色ひとつとっても、ある日は緑が強く見え、また別の日にはトロピカルブルーに見えます。
くもりを映して鈍色になると青く輝く日とは同一人物とは思えないレベルです。
空気もモヤっとまとわりつく嫌な感じをしているかと思えば、
びっくりするくらい良い香りで涼やか・イケメンと言いたいくらいの瞬間があります。
毎日違う日で、全く同じ瞬間は決して訪れない。
そのことを体で感じられるのが、自然いっぱいの島の利点です。
そうすれば、今この時、今ここに集中し、瞬間瞬間を大切に扱えます。
人情厚い方が多い
三つ目は人情厚い方が多いことです。
見ず知らずでも、すれ違ったら挨拶はあたりまえ。
自転車で横断歩道を渡ろうとしたら待ってくれる方が大多数。
困ったら言ってね、がリップサービスでなく、
申し訳ないくらい手を差し伸べてくれる方が大勢いる。
わたしがいる瀬戸内しまなみの端っこ・佐木島は、そんな世界です。
島暮らしでの想定外は日々発生しています。
ペットシッターがいなくて困ると話したら、
そのくらいやっておくから、わたしが出かける時にはうちの子をよろしく。
と言ってくださった方がいました。
また別の方は、全く動物と暮らしたことがないにもかかわらず
やり方を教えてくれたら喜んでやりますよ、と言ってくださいました。
仮住まいの滞在期限が短縮される事態もありました。
そうすると、一旦本土の実家で過ごしておいで。
その間、島に置いてていい荷物は全て預かるよ、
と言われた時には思わず泣きそうになりました。
船での輸送費がバカにならない島なので、本当にありがたいことです。
自然環境、人の環境ともに精神的に落ち着けること請け合いのしまなみを全力で推します。