念願叶って暮らしている佐木島の家ですが、実はいくつか不満がありました。
例えば、母屋と離れの間を繋ぐ渡り廊下が
完全には塞がれていないことです。
開放感と風情は申し分ないほどたっぷりなのですが、
いかんせん玄関以外に施錠する箇所が2箇所も増えてしまいます。
そして何より困るのが、我が愛猫が安全に行き来できないこと。
完全室内飼いを死守しようとすると、
移動のたびにキャリーに入れて運ばないといけません。
でも不思議なものであるがままを受け入れて、
どうやったら喜んでもらえるゲストハウスにできるかと考えたときに、
不満を利点と捉える良いアイディアが浮かんだのです。
瓢箪から駒、と言えるかも知れません。
面倒だな、困ったな、と思う場所に意外と宝があるかもよ?
というお話しです。
※中庭を隔てた奥が母屋@佐木島・三原市
お手洗いのたびに中庭を楽しめる
お手洗いが離れにあることが申し訳ないな、と思っていました。
お客さんを迎えた場合、母屋で過ごしていただいていても、
お手洗いのたびに毎回渡り廊下を通って少し離れた場所まで移動してもらわないといけません。
これは面倒でしかないと思っていたのですが、
ある時友人が、毎回このお庭を眺めながらお手洗いに行けるなんて幸せ、
と言ったのを聞いてはっとしました。
漏れそうなときには遠いトイレは面倒でしかありませんが、
そうでなければ味わいの一部になり得るのだと思い直したのです。
広いと言っても何百メートルもあるわけではなく
せいぜい十数メートルの範囲なので許容範囲です。
いかにも昔の家的で面白いと言えばそうですね。
母屋と離れが分離しているのでプライバシー確保はマル
母屋と離れとが完全に分離しているのがちょっと面倒だなと思っていました。
が、実際ゲストを迎えてみて、むしろ利点なのではないかと感じるようになりました。
距離にして10メートル程度しか離れていないのですが、
間に中庭を挟むこともあり、お互いの気配が全くわからないのが快適です。
窓を開け離せば、そして耳をすませば音は聞こえるのでしょうが、
夜になって電気をつけていても、お互いがちょうど見えない位置で
気を使わなくて済みます。
自分とまるきり生活時間帯が違うゲストを迎えることもありますから
必要以上に、こちらの動きを気を使わなくて良いのはありがたいです。
ゲストがペット連れでも受け入れ可能
そして、生活空間の分離により、とんでもないメリットになるのが、
ペット連れのお客様を受け入れしやすいと言う点です。
島だからこそゆったりと長期滞在をしてもらおうと思ったときに、
わざわざ高い船賃を払ってまで来てもらうに値する何かがあるに越した事はありません。
そう思った時に周りにそんなに多くない「ペット可」は喜ばれるし強みになります。
不満なんて言ってごめんなさい、と今は思っています。
何でもかんでも受け入れろというつもりではないですが
案外宝は「すでにある」ものなのだと感じたしだいです。