しまなみ海道、を検索キーワードに入れると、次に出てくる言葉が
「何時間かかる」「自転車で何時間」といったように、所要時間を調べるものが多いことに気がつきました。
訪問を考える方は、尾道・今治間の端から端までの走破、
メインルートのブルーライン走行を前提にするのがどうやら多数派のようです。
もちろんその「王道スタイル」は素晴らしいのですが、
もっと自由に、自分のスタイルに合わせて楽しんでみては?という提案をしてみます。
※しまなみ海道からそれた佐木島の夕暮れ
横道にそれてみる
1つ目は横道にそれてみてはいかが?という提案です。
しまなみ海道が初心者でも走りやすいと言われる理由の1つに走行ルートのわかりやすさがあります。
ブルーラインと呼ばれる線が道路上に引いてあり、それに沿っていけば
極端な話、地図などなくても尾道・今治の間約70キロを迷うことなく進んでいけます。
場所によっては残りの走行距離を示す看板も立っていますので、
あとどのくらいで自分が目的地につけるのか予測も立てやすいでしょう。
ただ、絶景がこのブルーライン上に全て揃っているとは限りません。
向島の歌地区しかり、因島の折古の浜しかり、大三島の宗方地区しかり。
地元の人間としてはぜひ訪ねてほしいと願って止まない素敵な風景たちがブルーラインから外れていることはままあります。
地図で見ていただいたらわかりやすいのですが、伯方島に至っては、本線ブルーラインだと申し訳ない位のかすめ具合ですぐ次の島に着いてしまいます。
しまなみ海道を最も効率的に走破するためには、ブルーライン上が迷うことなく、
お店や休憩場所も多く間違いないのは確かですが、ときにはそこから外れて癒しのひとときを求めてみてはいかがでしょうか?
ひとつの島だけまわる
ふたつ目は、1つあるいは2つ、お気に入りの島を見つけて集中的に回る提案です。
完全に初心者の方向けと言うよりは、何度かしまなみ海道を訪ねたことがあって、
ここの島の雰囲気が特に好きだな、と言った好みがはっきりしていたり、
この島をもっとディープに回ってみたいといった欲が湧いてきた方に向けています。
もちろん初めてであっても、たとえば、好きな作家やアーティストの出身地だとか
何らかの思い入れが深い場所があるならば、ぜひやってみてください。
本線ブルーラインから1本道を外れて、集落の生活道路を走ってみたり、
あるいはGoogle マップを眺めながら、面白そう!と感じた内陸の道なき道を巡ってみたりはいかがでしょうか?
同じ景色がずいぶんと雰囲気が変わって感じられることでしょう。
ただ、内陸の道なき道は、本気ホンモノのけもの道のことが多々あるので、ご用心ください。
事前に注意看板がなくても道路がイキナリ崩落していたり、
角を曲がったらとんでもないサイズの倒木が道を塞いでいる、なんてことも十分あり得ます。
分けて楽しむ
最後に分けて楽しむと言う提案です。
しまなみ海道の端から端まで、1度の旅で、もしくは1日ですべて走破しなくてはならない
と言う思い込みがあったら、ぜひ外してみてください。
春には、この島を秋には次の島を、とか
数年かけて、少しずつ巡ってみる
なんていう楽しみ方もなんとも贅沢ではないでしょうか。
同じ島であっても、季節によって表情が異なりますし、
別の年であれば同じ季節であっても、雰囲気が全く違うということが大いにあり得ます。
しまなみ海道を一気に駆け抜けず少しずつ少しずつ楽しんでみる。
お仕事でなかなか長期のお休みが取りにくい方や、ちょっとずつしまなみをかじりたい方にお勧めのやり方です。
王道にとらわれず、ご自分の生活スタイル、趣向に合わせた旅をぜひ組み立ててみてください。