庭じまいの選択肢、ありじゃない?

墓じまいならぬ、庭じまいという言葉を先日聞きました。

なんでも、庭の手入れをするのがおっくうになる年代の方が、
庭をつぶしてお手入れいらずにすることを言うんだそうです。
なるほど、立ったりかかんだりの多い庭作業は年々辛くなっていきますからね。

田舎暮らしに憧れる都会っ子からすると、
見落としがちな盲点が庭の手入れコストではないかと考えています。
自分自身が空き家となった実家のメンテナンスに関わって気づいたことを書いてみます。


※風情ある庭は素敵。でもお手入れは・・・?@三原市

庭の手入れに年間15万?

植栽を整えたり、雑草を抜いたり。
そんな庭のメンテナンスを植木屋さんに任せると、
年間15万円くらいかかるかもしれません。

そう言うとどう感じられるでしょうか?
想像以上にコストがかかると思われるのではないでしょうか?

でも、自分で全て整える努力をもし一度でも、ワンシーズンだけでも試してみたら、
ほとんどの方が十分に安いと感じる可能性があります。
それくらい、主なき家の周りを取り囲む草木の力は、絶大です。
ウカウカしているとすぐにミニラピュタのようになってしまうのですから。

20年近くすっかり都会の暮らしになれきってしまったわたしがうっかり忘れていたもの。
それは草木の力でした。
ちなみにここでいう草木は、雑草はもちろんのこと、
庭に観賞目的で植えているはずの樹木も含みます。

草なしから1.6mになるまでの所要時間

さて、クイズです。
見た目にはスッキリと草刈りをした状態から、平均的な成人女性の背丈を超えるほどにまで草が成長する。
ここまでどのくらいの期間かかると思われますか?

ひと夏?3ヶ月?
いえいえ、条件によっては1ヶ月ちょっとでそんな状態になることもあります。

母が県外の老人施設でお世話になることがきまり、
三原市内山の手の実家が空き家になったのは5年前のこと。
母が家を出て行ったのは初冬。

問題はその翌年の夏の帰省時。
いつも通り夜遅い時間帯に帰省したわたしは、
門の奥に広がる光景に目を疑うことになります。

なんと自分の背丈を超えるセイタカアワダチソウが庭をびっしりと覆い尽くしていたのです。
いつもなら月に1回程度帰るところをその時は少し間を空けていたのは事実です。
決して小柄すぎるわけではない158cm の私よりも頭一つ分ほどの高さに成長するとは!です。
もはや草ではなく木ですよね。

庭は別に楽しむ、もアリ

移住目的で物件を探している方が、庭が広いといいなあ、
とおっしゃるのはよくあることです。

綺麗に整えられた庭は見ているだけで心落ち着きますから無理も有りません。
都会で緑のない暮らしをしていると、庭いじりへの並々ならぬあこがれもあるでしょう。
人によっては田舎に引っ越すいちばんの醍醐味かもしれません。

ただ、そのメンテを数十年先まで見据えて考えると、
庭というのは、ちょっとした贅沢品の側面があります。

我が実家も、錦鯉が亡くなったのをきっかけに池を潰し、
台風で危ないからと灯篭も撤去し、少しずつ手間のかからない状態に整えてきています。

以前は庭がどんどん殺風景になることを残念に感じていました。
が今は必ずしも我が家の目の前に素敵なお庭がなくてもいいのかも?
と思い始めています。

お庭を鑑賞するだけだったら、庭園や公園、神社仏閣もありますからね。
庭の楽しみをアウトソーシングするのもいいかもしれません。

せっかく楽しいはずの田舎暮らしが、草木との闘いで苦しくなった、
なんてのは寂しいですから。

 

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