船旅と聞くとどのようなイメージでしょうか?
比較的大がかりで長距離の路線を思い描く方も多いのではないかと予想します。
例えば、舞鶴から北海道に行く日本海フェリー。
船でしかアクセスできない小笠原行きのおがさわら丸など。
瀬戸内しまなみの利点は、小さな船旅を楽しめる場所がたくさんあることです。
船賃も旅で、遊びで、単発で利用する分にはお手頃です。
(生活路線として毎日だとちょっときついかもしれませんが・・・)
中でも可愛らしい船に乗ることのできる路線を紹介します。
※素敵なデザインの「こまたき」@尾道市
尾道〜向島の渡船
1つ目はしまなみ海道玄関口の顔とも言える尾道の渡し船です。
泳いでも渡っていけそうな距離を5分ほどの船旅でつなぎます。
江戸時代からと歴史が古く、最盛期にはなんと9の路線がありました。
が、しまなみ海道開通で利用客が減少。廃止の結果、現在は以下の3路線となっています。
数分だけのプチ船旅、楽しんでみてください。
どの時間帯でも絵になる街尾道ですが、船旅は特に夕方から夜にかけてがおすすめです。
造船所のライトアップあり、街の明かりありで幻想的な光景が広がります。
駅前渡船は、お寺の塔のような外観が目を引く可愛らしい船で運行しています
尾道駅の目の前から出発するので、駅を利用し、すぐにしまなみ海道入りしたい方におすすめです。
ちなみに、しまなみ海道ブルーラインをたどるとこのルートです。
他の2航路と異なり、125cc 以上の2輪と車を載せないので、
出入りの時に歩行者、自転車の方にとっては安心感があるかもしれません。
福本渡船はおとなひとり60円と最もリーズナブルに利用できる路線です。
他の2路線はどちらも100円なので60円はダントツです。
ただし尾道駅からは少し距離があり、日曜日はお休みです。
平日に動く方、ちょっとくらい距離が伸びても平気なサイクリストの方に超絶おすすめなルートです。
尾道渡船、兼吉渡しは現在最も東側となる航路です。
尾道駅からは少し遠くなりますが、商店街の中心部に近いです。
しまなみ海道前後でこの辺りを観光する時は便利です。
尾道〜瀬戸田航路
2つ目は、尾道駅前からしまなみ海道のほぼ真ん中、瀬戸田、生口島まで結ぶ航路です。
平日は黄色と赤の鮮やかな色合いが目を引くシトラス号。
土日祝日は自転車をイメージしたデザインのサイクルシップラズリが走ります。
後者は白がメインの船体に赤と紺色の差し色が愛らしい船です。
見た目がかわいらしいだけでなく、デッキで風を全身に浴びながら船旅を楽しむことができるのがおすすめです。
自転車を大量搭載できるので、大人数のグループでも気兼ねなく使えます。
また、デッキのサイクルラックには、自転車同士がぶつからないように緩衝材もついています。
お気に入りのバイクを傷つけたくない方は、少し踏ん張ってデッキを利用しましょう。
因島重井〜細島航路
3つ目は知る人ぞ知るレア路線。因島、重井から細島に向かう路線です。
こちら、無人島ではないものの、住民は2021年時点調査でなんとわずか33人!
農業の島で畑だらけ。ただひたすらにのどかすぎる風景が広がります。
船はこの辺りの路線で、飛び抜けてデザイン性が高いとわたしは密かに思っています。
移住しようとしている佐木島からこの船、こまたきがゆっくり進んで行く様子を見ると、
なんだかとても幸せな気持ちになります。明るい色のおかげでしょうか?
島内にお店はないですが、どこを切り取っても絶景だらけです。
周囲5キロ、道路ベースだと3キロちょっと。
歩いても十分に回れる大きさなので、しまなみ旅のちょっとした追加候補にいかがでしょうか。