しまなみを楽しむ、と題してこれまで楽しい方向の話ばかり展開してきました。
しかしながら、『楽しい』を宣伝するだけではなくて、
『苦しい』『面倒』を(できれば)ひっそりと減らすことも、
それと同じかそれ以上に大事だと気が付きました。
※美味しそうな野菜たち@海月の棲み処・三原市・佐木島
気づきの発端
きっかけは友人2人が、東京と大阪からわたしの暮らす佐木島に遊びに来てくれたことです。
彼女たちが宿泊したお宿には電動自転車があり、ビーチホッピングに、サンセットサイクリングに大活躍でした。
しかし困ったのはチェックアウトしてからです。
1周10キロのちいさな島とは言えど、7月末の暑い時期。
全て徒歩で島内移動などとてもではないけれど、現実的ではありません。
とは言え、島内周回バスも便数がなく、ギア無しレンタサイクルはあるも曜日限定で当日は定休日。
どう対処した?
最終的に移住者先輩に車を出してもらい、客人たちをなんとか無事に次の目的地まで送り届けることができました。
電話してスグ来てもらえるとはなんともありがたや、です。
同時に自由にならないとは苦しいことかとつくづく認識しました。
都会だと当たり前のようにある公共交通機関網が当たり前ではない島でどのように仕組みを作るか。
もっとお客さんに来て欲しいと思うなら、美しい自然や魅力をひたすら語るだけでは不十分だと感じました。
前置きが長くなってしまいましたが、島近辺でこれはうまく苦しさ、手間を減らしてるなと思った事例を紹介します。
魅力を語るばかりでなく、面倒を取り除く視点とセンスも育てていきたいものです。
クレジットカード利用可能な営農センター
1つ目は、佐木島唯一のスーパーJである、営農センターでクレジットカードが利用できることです。
残念ながら島民でクレジットカードを利用していた方を見かけたことはありません。
それでもなおサービスとして端末を維持し続けていることには敬意を表したいです。
たとえタッチ決済機能がなくても、担当の方がどう使うんだったっけと明らかに焦っている感じで対応されていたとしても。
ちなみに、比較的あちこちで嫌われ者なアメックスカードもこちらでは利用可能です。
上述の通り暗証番号を都度入力する必要がありますが、それでも現金を用意する考えれば神のようにありがたいです。
銀行なりATMなりでおろしてくる。
さらに整理して財布に格納する。
支払いの際に数えて手渡す。
そしてお釣りを受け取る。
これらの手間から全て解放してくれるわけですから。
キャッシュレス対応乗船チケット
2つ目は、一部ではあるもののフェリー、高速船乗り場でキャッシュレス対応の券売機が導入されたことです。
どうやら昨年2023年からのようです。クレジットカードや、各種QR決済が利用可能です。
欲を言えばウェブチケットのような仕組み、つまりスマホ上で全てが完結し、
紙のチケットを持ち歩かなくて良い状態がベストではあります。
とは言え、これまで当たり前だった現金と紙の世界から考えたら大きな大きな進歩です。
しまなみ海道が開通したことにより、利用する側からすればとても便利にはなりました。
一方、船の路線は利用者減でどこも苦しいと聞きます。
そんな経営的には芳しくない状況の中でも、利用者目線でサービスを考えられていることはすばらしいです。
海月の棲み処の野菜無人販売
3つ目は、海月の棲み処の野菜無人販売です。
佐木島、西海岸の長浜海岸沿いにあります。
小さな手作りの小屋でとれたてのおいしい無農薬野菜たちを販売しています。
支払い方法はキャッシュレスでは無いのですが、小屋の中に置いてあるクッキー空き缶に必要額を放り込むスタイル。
お釣りがいる場合は、そこから抜き出すという、人の信頼を前提としたシステムでやっています。
曜日を決めて旬の野菜はSNSでお知らせをし、来ていただいた方には無人で対応する。
買う方は好きなタイミングで好きなだけ買って帰ることができる、売る方は手間いらず。
お互い気を使わないありがたい仕組みです。
しまなみ海道まわりのナイスアイデアたちを、これからも拾って自分のビジネスにも応用していきます。